CEATEC Japan 2010 行ってきた

今年もCEATEC行ってきました

CEATECは、一般消費者向けの展示と、製品の一要素となるデバイスの展示があわせている展示会。デバイス系は「流行」というものはあまりないけれど、消費者向けの展示ではその年によって流行があるのですが。これまでは 薄型テレビ、携帯電話が中心。
この傾向は今年も変わらないのですが、薄型テレビは開発が一段落して普及期になって、次の技術を模索しているようです。 去年から流行し始めましたが、今年はまさに「3D」がトレンドですね。
また携帯電話は、日本的な携帯電話、いわゆる「ガラケー」の展示は無くなり、ドコモ、auともに最新のスマートフォンの展示に切り替わっていました。

一方、中小企業や大学研究室の興味深い製品を探すのも醍醐味の一つ。
大手の展示は半年もすれば家電量販店で見ることができますが、ここでしか見られない物をみて、直接作った人から話を聞ける機会は貴重。

さて、レポ。

スマートフォンなど通信機器

ドコモ

Galaxy S, Galaxy Tab などのAndroid スマートフォン


Galaxy Sは見た目、持った感じはiPhone 3GS に似ている。持ちやすいが、横から見るともっさりとした厚みが気になるところ。
Xperiaで気になっているアプリの起動速度はストレスがそれほど無くなってます。 電池の持ちは分からないですが、第一印象としては、無難に使える端末だと思います。

タブレット端末のGalaxy TabiPad よりも一回り小ぶり。
電子ブックリーダーとしては適切な大きさかな。重さもiPad ほどは気にならない。

・ AR技術を使った携帯端末連携

"AR Walker" : オリンパスの眼鏡型の小型HMDディスプレイを組み合わせた街中での情報提示システムです

目の前に棒状のディスプレイをつけます。 そうするとちょうど携帯電話の画面を20cmほど離した程度の大きさで画面が浮かび上がります。
スマートフォンの画面をこのディスプレイに映し出して、ナビや観光案内のデモを行っていました。GPSや方角センサーと組み合わせて使います。

なかなか文章で伝えづらいですが、目の前の景色に進む方向が矢印でスーパーインポーズされたり、京都の路地を歩いていると、老舗のお店情報がでたりと便利。
こういう技術はこのCEATECの会場で使いたいと思いました


そのほか:
イオン発生ケータイ


au

IS03
ようやくauからでてきた本格的なスマートフォンになります。
おサイフケータイや赤外線通信、ワンセグなど、これまでの携帯電話についてきた技術を導入した、日本的なスマートフォンワンセグのアンテナも伸びます
 ちょっと動作がもっさりしているのが気になりますが おサイフケータイがついて来たのはうれしいところ

そのほか:
ソーシャルメディア視聴」: ツイッターなどのソーシャルメディア上での意見をリアルタイムに分析する技術。テレビの討論番組などで、世論を「みえる化」できるというもの。 各ユーザーの属性(年代、性別)もこれまでのツイートで使っている単語からおよそ7割の精度で分析できるとのこと。

シャープ

ガラパゴス
電子ブックシステムである「ガラパゴス」のリーダー端末が出展されていた。 Galaxy Tab と同じようなサイズです。


モバイル系は、実際の売り上げとは別に、トレンドがスマートフォンに完全にシフトしていました。 これまでは、「ドコモの冬モデル全機種展示!」などでしたが、今年は従来型の携帯新機種の展示は全くされていませんでした。一方従来型の携帯電話上でのサービスについてはこれまでと同じように新しいものを展示していました。端末自体では勝負せず、その上のアプリケーションが土俵になるとキャリアが考えているのかなあ。



■ 家電系

ほぼ3Dばかりです。

東芝

3D眼鏡をかけることなく立体画像が見える「グラスレス3D」を展示しているのですが、大人気。 開場と同時にブースに駆け込んだのですが、それでも間に合いませんでした。 残念。どれだけ人気なんだ。。 と思うとともに、来場者が殺到すること見越してブースを設計して欲しいと思った。
開場と同時に、ネタで「東芝完売」とツイートしたのだけど、まさかその通りになってしまうとは。
東芝は去年もCell Regza の展示で同じようなことになっていたしな。

見ることができた人の話では、56インチのディスプレイで、思った以上に綺麗に立体に見ることができたとのこと。レンチキュラーという、歴史のある3D表示方式であるが、この技術を適切に使うことで裸眼3Dを実現したんだろう。
どうやら年末から販売するとのことで、ちょっとしたらヨドバシカメラなどでも見ることが出来るだろう。期待

ソニー

21mの大型3Dディスプレイが目立っていました。
方式は偏光レンズ方式かな?

やはり画面が大きいというのは迫力があるものです。

3D画像の作成技術も進んでいるようで、従来のような過剰な立体感もすくなくなり、自然に風景に溶け込むようになっています。

パナソニック

アクティブシャッター方式かな?
偏光メガネと違って電子回路が組み込まれるぶんだけメガネがちょっと大きく、重くなるのだけど、あまり気にならない重さになってきたかも。

ネットつないで、遠隔3Dビデオ会議のデモを実施してました。
試作品の実体レビューなどに使えるかも。。 とのことでした。
デモでは、ブーツをぐるぐると回していた。確かに画面では分かりづらいものも分かる。
まあ、使いたい業種もあるかもね


シャープ

3Dはメインにせず、 「4原色表示」のディスプレイをデモ。
RGBだけでなく、「黄色」も含めた4原色表示のディスプレイ。

パソコンのディスプレイで言う「AdobeRGB率 xxx%」のあの%を上げるような技術かな。確かに既存のディスプレイと比べると色鮮やかだった。

他社が3Dのみを訴求しているの中、ディスプレイの画質にこだわっている天は立派で、また分かりやすい。


富士通

ソーシャルロボット。小熊型のロボット。
老人ホームなどで入所者のペット代わりに使うことを考えているようです。

人を見つけるとそっちを向いて愛嬌振りまくし、人が手を上げたら真似をして腕をあげたり、ちっちゃな手足でラジオ体操までする。 お腹や足を撫でたら反応したりという癒し系のロボット。
同じようなコンセプトで以前「パロ」というアザラシ型のロボットが産総研から出ていたけど、よりインタラクティブになっているなあ。


ヤマハ

ボーカロイドの開発元だけあって、ミクのコスプレをした人(ヤマハの大島さんじゃなくて)が立っていた。。。 ってのはおいておいて、
ヤマハの目玉はTLFという平面スピーカー。

スピーカーがポスターのように薄っぺらくなりました。。 という技術だけでも話題性があるが、これ、ポスターの前でしか音が聞こえないのだな。
音の直進性が広く、まるでレーザー光線の音波版のようなもの。

なので街中でもノイズ発生源にならず、逆にポスターの前でははっきりと音が聞こえるという便利物。 それに形状はポスターなので、スピーカーを設置できないような駅ナカ、廊下などにも設置できるしな。

直進性が高いスピーカーといえば、超音波を使ったパラメトリックスピーカーがあるけど、あのスピーカーのように音もひずまずに音楽としてもきこえる。なかなか応用範囲が広そう




そのほか

超マルチタッチディスプレイ。茨城のベンチャーが作っている物だが、反応が非常によい。10人ぐらいが同時に指を動かしても追随できている。


慶応大学の研究室からの展示。
今回のCEATECで個人的に一番驚いたもの。
3つの棒は電気的にしかつながっていないのだが、その反応が非常によく(毎秒1万回の制御)左のボールを押した触感が右の棒に伝わってくる。
機械的につながっているとしか思えない。

大型工作機械や顕微鏡での微細加工などにも応用できるとのこと。

産総研ロボット
去年よりよりリアルに。その秘密は、人間の歌い方と顔の表情をビデオから学習するシステムをつくったからだとか。

磁石メーカーの「アルミの一円玉が磁石にくっつく」のデモ。
電磁誘導のいい教材になっています