ガジェット開発の勉強会 「Gadget1」に参加した

今日は、ガジェット(デジタル小物)の勉強会 「Gadget1」に参加しました

・場所 オラクルセンター (外苑前)
・URL  http://gadget1.jus.or.jp/
・後援: 日本UNIXユーザ会、日本Androidの会

いやー、これは久々に一日ワクワクしたイベントでした。参加して、何かつくってみたい! と思ってしまうイベントです。

ガジェットの定義はさまざまありますが、主に面白いデジタル小物のようなもの。それを自作したり、ソフトを書いて改造したりといろいろと活動している人たちによる発表会でした。

仕事と絡んでいる人、個人の活動をしている人などそれぞれの立場で発表をされていました。
皆さん、内容もさることながら、デモ、プレゼンがうまい。発表の中にもあったのですが、「実装と同じぐらい見せ方を考えろ」というポリシーがガジェット界にはあるようです。

ARお絵描きツール「Feel Sketch」 塚田さん


ARアプリケーションをもっと簡単に作って楽しむようにしたいというモチベーションで開発したツール。
開発者なら、AR Tool Kit などを使って簡単にマーカー上に人形を表示するといったことができる。
それができない普通の人向けの仕組みとして、考えた

仕組みはこんな感じ。 

1)パソコン上でお絵かきをする。
2)その画像がカラーのQRコード(PMCode)になる http://ci-a.co.jp/pm/pm_jp_01.pdf
3)カラーQRコードを印刷。
4)印刷したカラーQRコードを、Android携帯で写すと、あら、画面に先ほどかいた絵が表示される!

ポイントは、カラーQRコードがサイズの割りに高い情報記述能力があるということ。QRコードの数十倍の各能力があり、数CM角のコードでも100KBほど格納することができるので、コード自体に画像データを格納できる。これが、QRコードにただIDを格納して、データはサーバにあるというシステムとは違うところ。  
カラーQRコードの読み取りには、色を正しくカメラで再現する必要があるなど課題があり、それを一つ一つ工夫してつぶしていったとのこと。 

QRコードも奥が深い。
コードはここから取得できる
http://code.google.com/p/feelsketch/

そのほかに以前行った、iPhone での音声認識の話も興味深い。


「食」を使ったコミュニケーション!「EatNow」 コニット 橋本さん


最近、爆発的に人気がでているソーシャルアプリケーションをビジネスの面から分析したセッション。
自身の会社で立ち上げている「EatNow」というソーシャルアプリサービスを題材に、現在のソーシャルアプリを取り巻く驚くべき勢いについて語られた。

ソーシャルアプリ。日本ではmixiサンシャイン牧場が有名だし、世界中だと FaceBook の FarmVille などが大量のユーザを集めているそうだ。 モバイル系のアプリはiPhoneで10万本、 Android で2万本と大量にでていて、大部分は日の目をみないまま埋もれる状況。目に留まってもらうためには膨大なプロモーションが必要となってくる。なので大変。
ソーシャルアプリは、フレンド間で紹介をされる。
また、 ソーシャルアプリの発想: 友達と 遊ぶ、誘う、話す、競う、一緒に戦う、一緒に集める、一緒に見る、一緒にでかける、ほめる、自慢する、からかう、探す、送る、御礼をする、ちょっかい、足跡つける、挑戦する、質問する、試練をあたえる、紹介する、進めるなどといった遊びの要素があり、フレンド間でゲームに熱中する要素が高いとのこと
現在コニットで作っている「EatNow]というアプリをFaceBookで公開している。日々の食事を写真にとり、EatNowにアップする仕組み。写真には 場所情報がはいっていて、どこで何を食べたかがわかる。友達がそれに対してコメントをいれてもりあがる。 というもの。単純ではあるが、ソーシャルアプリとしての楽しさから、アクセス数が多いとのことだ。


Nexus Oneを比較してみた Google API Expert 安生さん


Google から発売された Nexus One とドコモのGoogle携帯 HT03Aを比較。
CPU,メモリともに倍になって電池のもちは同じとのこと。 もうゲーム機ですね。これは。 PSPと比べても遜色がない速度で3Dがばりばり動きます。

Nexus One の実物も触れました! 大きさはiPhoneと同じぐらい。UIなどはiPhone よりも凝っているところが各所にありました。なによりいじれる範囲が広いのがよいですなあ

Cerevo セッション Cerevo 岩佐さん


WiFi 内蔵型のカメラCerevoについてのプレゼン。技術解説ではなく、ベンチャーハードメーカーCerevo の興し方、製品開発の方法について語ってくれた。デジカメの組み込みソフトや、アップロードサーバなどは内製化する一方、ハードウエア設計や製造についてはEMS企業を活用する。これによって生産設備を持たないベンチャーであっても、家電を作ることができるということを具体的な事例で解説してくれた。

いまは、設計ができれば、生産については分担してくれるような仕組みが整備されているので、志と仲間がいれば、これまでは大手家電メーカーでしかできなかったものもできる時代なのだろう。

イーモバで遊ぶ「3G一体型モバイルWiFiルータ」 イーモバイル 矢萩さん


イーモバイルの回線増強のための日ごろの業務内容や、基地局の整備状況といった普段は目にしない事柄を多く説明していただけた。
また、イーモンスターなどのスマートフォン端末で、未保証ながらAndroid が動いた実績がある という事例を紹介。
週末は自分で電波強度調査を行うため日本全国を飛び回っているとのこと。 こういう個人レベルでの努力もあってイーモバイルは安定して電波をを送り届けているのだなあ

オシロもみっくみっくしてやんよ ぱお製作所 ぱおさん


オシロスコープの画面上に、初音ミクの絵柄を表示させるための小型ガジェットの製作について。
絵を描くためには一筆書きのように波形を書きたい絵のとおりコントロールする必要があるのだが、1点1点をマウスでクリックして位置指定するプログラムをつくったとのこと。 

ぱおさんのガジェット開発に対する進め方は

HWガジェット製作の手順: 妄想する(仕様)→ 詳細な妄想(各部決定) → 各ブロックの決定 → 回路の決定 → 組配

とのこと。 妄想ドリブンのようだ。「詳細な妄想」という表現がミートしたようで、以降のライトニングトークでも引用されていた。 
ぱおさんは若い技術者であるが、その広範な知識とネタの仕込み方には圧倒される。

koress projectのこれまでとこれから 〜皆さんネットガジェット作りません? koress おかじさん


自分の脈拍をツイッターにポストする「秋月パルス」など、話題になるガジェットを作る集団であるkoress プロジェクトのプレゼン。

「ガジェットはつくっても見てもらえなければしょうがない。実装技術と同じぐらい見せ方が重要。 見られることに耐えられるビジュアルが必要。 必要ならプロモーションビデオ作ってニコ動、Youtube などに投稿を」だそうだ

「ジャパニーズモダンガジェット」 日本から世界に発信するガジェット、 PC&携帯でないネットにつながるガジェット、現代どころか未来走っているガジェット ということを目標に開発をしているとのこと。

見せることが大事というのは、ガジェット作りの重要な点だなあ。相手が興味持ってくれてなんぼ というのはあるよな。

最新作の「秋月ドランク」。 アルコールセンサーに息を吹きかけて酔っ払い度測定。それをTwitterにポストする装置。懇親会の時はにぎわってました。アルコール度の記録続出。

オープンハードで、こんなガジェット欲しくね〜? himamura さん


今村さんは、この業界30年目ぐらいの大ベテランで今でもバリバリの技術者の方。昔はワークステーションを作ってしまったぐらいのコアな方。
「 ガジェットとは 持ち運べて、 普通じゃなくて、 デザインが斬新 ということと考えている」
NECの EMMA Mobile1 を使えば結構いいガジェットが作れそうです。ドキュメントも無料っぽいです。 AndroidSDKもきれいにあります」
「今は簡単に製品が作れる時代だし、 みんなでほしいものつくろうよ。 大手メーカーが作らないようなソーシャル家電だってつくれるよ」


ライトニングトーク


フィジカルコンピューティングポータルサイト「phyzz.bz」のご案内 kwappaさん


ハードウエアものづくりのコミュニティ同士、同じことをやっていても、横断的に情報共有する場がすくなかった。
なので、つくりました  http://phyzz.bz というサイト。 という告知

楽天お買い物デバイス 楽天技術研究所 岩淵志学さん


「大脳直結型お買い物かご」 がテーマ。
バーコードリーダーをベースにしたガジェット
買いたいものがあったら、バーコードでメモ→自動的に楽天のお買い物かごにはいる なので忘れることがない というような便利もの。

このプレゼンがかっこよかった。一枚の紙をぐるぐる拡大縮小回転しながら、プレゼンをしていく。 まさにクール。

チームラボボール(空飛ぶガジェット)について チームラボ 高須さん


直径1.5m のヘリウムがはいったボールにセンサーつきのライトを入れる。バルーンをたたくと、ライトの色が変わると同時に会場の照明も同期して変わる。  バルーンを入れることでライブの人のノリが明らかにかわる とのこと
こんなバルーンが会場を浮いていたら思わずさわってしまいたくなるよなあ。 説明要らずのいいUIの例

ライブのときのレポートはこちらですね。
http://takasumasakazu.net/2009/12/28team-lab-ball/

Come see our latest creation Hacker's Cafe akio0911さん


いやはや。プレゼンの勝利ですw マルチタスクiPhone のような操作感の iBag!

ジョブズiPad のプレゼンをもじって、
1枚目のスライドから何もいわないのに、会場から笑いをとり注目を集めるプレゼン技術はすばらしい。

無宗派世代の先祖供養「ジェネレーションフォトフレーム」 川井拓也さん(ヒマナイヌ)


「デジタル仏壇」というキャッチフレーズもついていましたが、それ以上に深い。 
家族(自分、親、祖父母の代)の3代をちっちゃなデジタルフォトフレームで表示。
同じ年代の写真を表示するだけでなく、たとえば3代がそれぞれ同じ年頃のころの写真をあわせて表示するといったこともできる。

仏壇のようにかしこまっておくのではなく、食卓にデジタルフォトフレームのようにアクセサリーとしておき、普段から家族のつながりをかんじられるようなガジェット。

ココなう! 永山純一さん


2980円ぐらいでできる WSIM内蔵 通信、測位機能つきつぶやきツールの提案

EyeFi


EyeFi の開発環境について。

「10人のエンジニアで作っている。メインはWEBサービスの会社。HWは3人。 クライアントは1人。 残りでクラウドサービス。 本社はマウンテンビュー、看板は紙で印刷したぐらいのちっちゃなところ」
「EyeFi の採用基準。 自分よりもリスペクトしているエンジニアしか雇わない。 徹底した顧客思考: 自分が○○ をつくりたいというやつはだめ」

所帯は小さいがプロ意識をもった開発をしているようだ。 中の人たちは日本が大好きだとのこと。

FPGA Cafe


「客のニーズにあったガジェットをその場で設計。 8割は本気。 3割はもっとすごいです」というモチベーションでつくっている、 FPGA好きの人の集会所の案内。司会の方

encafe


エンジニアが集まるSNS encafe の紹介。  「エンジニアは cafe という言葉がすきですね。 16進数であらわせるからですかね?」 という突っ込みが秀逸

Android 基盤自作をした話


Android 基盤を自作した方のはなし。 いまや基盤そのものから起こすことができるのですね


ラクルのビル

外苑前のオラクルセンターで開催されたのですが、景色も中もきれい!