「アニメ聖地の成立とその展開に関する研究」という論文を見つけた

アニメ聖地といえば、いろいろあるようですが、最近話題なのは、「らき☆すた」で話題になった 鷲宮町鷲宮神社

これまで13万人だった初詣客が、去年正月には30万人になったことで一躍話題ですな。


ブログなどでこの現象を評論したエントリは数多くありますが、本職(北大観光学高等研究センターの准教授の方)がフィールドワークを綿密に行い分析したものがありました。

アニメ聖地の成立とその展開に関する研究 : アニメ作品「らき☆すた」による埼玉県鷲宮町の旅客誘致に関する一考察
Study of Birth and Development of "Sacred Place for Anime Fans" : Discussion of Tourist Promotions Based on Animated Work "Luckey Star " Focused on Washimiya, Saitama Prefecture
著者: 山村, 高淑
http://hdl.handle.net/2115/35084

ニコニコ動画で「才能の無駄遣い」という表現がされますが、これは無駄遣いじゃなくて、本職が本気で分析した論文ですな。21ページありますが、平易な文章で書かれているので読みやすいなあ。


ネタではなくて、 アニメに釣られてファンがその舞台に巡礼をする事による経済効果や、街の人と著作権者がどのように連携して盛り上げていったかということを綿密なフィールドワークをもとに分析しているのですな。

地域の商店街が衰退していく中、鷲宮の現象は各地から注目されて手本にになっているようです。涼宮ハルヒの舞台西宮市でも、聖地化を試みていると聞くし、最近は「かんなぎ」で出てくる宮城の鼻節神社もファンに発見されて今後の展開が気になるところ。

大河ドラマを誘致したがるのと同じように、アニメの舞台にして地域活性化のきっかけとしようとする地方自治体、商店街も多いはず。でも、これまでのような観光客と違うアニメファンとどのようにつきあえば気に入ってもらえるのかということは分からないだろうから、この調査は参考にされるでしょうね。


# 最初、「鷲宮 町おこし年表」というものを見つけて、「おお、なにかこんな才能の無駄遣いしている人がいる。。」と思って追っかけていったら、本職だったというのが驚き
http://www.cats.hokudai.ac.jp/~deko/history.html鷲宮 町おこし年表」
http://www.cats.hokudai.ac.jp/~deko/washipedia.html 「鷲ペディア」