新型インフルエンザについて

最近、いろいろな方面から話を聞く「新型インフルエンザ対策」
その対策がかなり大がかりで、それほど大変なの??? と疑問にも思うが、人間に免疫がないウイルスが蔓延した場合には大感染になるようだ。

でもそれだけの差し迫ったリスクがあるんだろうか。 一応ちょっとWEBや本で見てみたのでちょっとまとめ。 マイミクの人にはそれぞれの立場で絡んでいる方が多そうだなあ。。 非常に広義にとらえれば私もBCPという観点で絡んでいるのだけど。


厚生労働省新型インフルエンザ対策のページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/
Q&A
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html

このQ&Aが詳しいかなあ。これを読めばなぜ、今騒いでいるか状況がわかります。

(かなり要約)

  • そもそもインフルエンザって?

もともと、鳥が持っているウイルスの一つ。普通は人に感染することはないけど、突然変異で人に感染するようになる。 ウイルスの中で特に強力(致死率が高い、感染力が強い)ものを高病原性インフルエンザという

  • 新型インフルエンザって? インフルエンザの中の一つ。 A香港型、Aソ連型 などと同じで、それの新しいウイルス。
  • なぜそんなに騒ぐのか?

これまでも大体数十年周期で流行があったけど、この数十年流行がない。

スペイン風邪(1918年 世界4000万人国内39万人死亡)、アジアインフルエンザ(1957)、香港インフルエンザ(1968)など、流行ればかなりの被害になる。 特にウイルスタイプが異なるとワクチンや免疫が効かない。
おまけに最近、鶏などに高病原性インフルエンザが流行っていて、突然変異してもおかしくない という結構リスクが高い状況になっている



ってことなんですね。 なので、結構各国の機関が真剣に考えているのか

特に昔とくらべて人の移動が活発に広範囲になっているので、一度感染が始まるとあっという間に大感染(パンデミックというらしい)になっちゃうリスクがあるんですね。


新しいインフルエンザウイルスによる感染が確認されても少しの時間があればワクチンが作れるのですが、大感染になってしまったら供給が間に合わない。大感染を止めるにはとにかく流行初期の感染を止めることが大事ということで、 「一人でも患者がでたら県内すべての学校を学級委閉鎖」「鉄道を止める」「会社への出社を自粛させる」というようは戒厳令並みの計画になっているようです。

そんなことをしてもどうせ感染するよ。。。 とネガティブに考えていましたが、感染するスピードを数日でも遅くすれば、最終的な感染者を1/3ぐらいまでに抑えることが出来るような試算結果も出ていました。

昨日立ち読みした日経サイエンスは、新型インフルエンザ特集でした。 多くは医学系の記事でしたが、一つ感染を抑えるための数値シミュレーションの結果が載っていました。 これは興味深い。

ネットワーク理論ででてくる「スモールワールド」の考え方を利用しているのですね。
学校や電車を利用する人がスモールワールドにおける「ハブ」になるわけで、電車や学校が動いていると引きこもり以外は「ハブ」になってしまい、感染者とのhop数が数hopになってしまうのですね。 シミュレーション結果が出ていましたが、べき乗以上(?)の広がりで感染が広がるようです。 電車学校など大勢の人が出会う場所を減らすことでhop数を増やすことができるようです。 こういうシミュレーションに複雑系のネットワーク理論が使われているのだ。。 と興味深かったです。 数学シミュレーションの正しい(社会に役立つ)使い方ですな。


もっと細かく知りたかったり、BCPの立場で新型インフルエンザを考えるのには、この政府資料を読むと良さそう。
事業者・職場における新型インフルエンザ対策 ガイドライン(改定案)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0730-13e.pdf


関連資料


国立感染症研究所 感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/index-j.html

トピックス: 企業における鳥(新型)インフルエンザ対策のためのFAQ
http://sosblog.main.jp/column/archives/2008/01/post_85.html