毎日新聞「変態記事」問題 --ウェブにシフトせざるを得ない新聞社

例の「毎日新聞変態エロサイト問題」。

問題の発端となった毎日新聞の記事群があまりに変態だし、ちょっと躊躇してたのだけど、これは毎日新聞の経営問題にもなりそうだし、ちょっと触れておくか−。


毎日新聞「変態記事」問題ってなに?

何がおきているかは 「毎日新聞 まとめ」 で検索するとわかります(笑)
要は

  • 毎日新聞の英語版WEBサイトで10年ぐらいにわたって、日本の週刊誌のエロ記事を紹介。 つまり、たとえば「内外タイムス(ナイタイ)の記事」なら誰もがまじめに信じないところを「毎日新聞のサイトに載っている」ということで、信頼性を与えてしまったということだな。
  • これが一記者の暴走ならまだわかるのだが、毎日新聞のWEB事務局が、このページをSEO対策していた。 SEO対策したのはエロキーワード。「日本のエロ」 を表すキーワードで上位にくるように細工。 (毎日新聞などの大手サイトの場合、Google の「Pagerank」というランキングの仕組みによってちょっとSEO細工すれば、すぐに上位にくる)

ということで、毎日新聞全社ぐるみで、エロ読者を毎日新聞のサイトに誘蛾灯のように誘導。

これらの記事の内容が

  • ばれない少女売春の仕方
  • 日本の看護婦は売春婦よりもエロ
  • 日本の女子高生はハンバーガーを食べると発情する

そのほか約100件ほど

これがだんだんとばれてきてさあ大変。

盛り上がっているのは、確かに「2ちゃんねる」なのだけど、今回は看護師や子供を持つ母親が強烈に怒りを持っているようで、草の根で不買運動と広告主に対して質問状を送っている様子。
特に毎日新聞が少女売春推奨記事を載せていたことが判明したため、いくつかの会社は広告出稿を再検討し始めた様子。

さあどうなる毎日。



■ WEBにシフトせざるを得ない新聞社

この間、mixiにレビューを書いた「グーグルに勝つ広告モデル」

グーグルに勝つ広告モデル (光文社新書)

グーグルに勝つ広告モデル (光文社新書)

という本にもあったし、多くのマーケティング系のWEBをみても分かるように、広告業界では、今既存メディア(テレビ、ラジオ、雑誌、新聞)の広告費が下がって、ネットの広告費だけが上がっているのですね。


絶対額で見ると、日本の年間総広告費7兆円のうち、ネットの広告費は6000億円に対して新聞は9000億円とまだ優位なのだけど、あと4年ぐらいで逆転する勢いです。
(参考グラフ: http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5650.html

日本の新聞は、まだ30%ぐらいは購読料に頼っているところはあるけど、それでも70%ぐらいは広告費なのですな。 新聞社も、民放と同じく広告依存なんですね。 新聞の広告費がだんだんと減ってくるとなると、新聞社も新しい領域であるWEBにシフトせざるを得ない。

広告費って現在の所は「購読者数」で決まるわけですな。
新聞の「押し紙」だろうが、WEBの「エロ目的アクセス」だろうが、1人として数えられるわけで。

簡単にWEBのアクセスを上げるには、やっぱり昔から「エロ」なんでしょうな。

今回の毎日新聞の役員異動で、WEBを作っている「デジタルメディア局」の人たちが社長や常務に昇格しているのですな。 つまりは収益を上げた部署として社内で認められたということなんですな。

今回の「変態記事」とリンクさせるのは危険なのだけど、やっぱりWEBの広告取扱高が上がっているのかなあ。でもなー、 エロ記事でのアクセスアップなんて、なんというか麻薬みたいなもんでいつまでも続かないと思うけどな。

さて、各方面(医師など)から広告主に対して自粛要請をだしているけど、どういうようになるか。
見所ですな


そういえば、 2ちゃんねるでのスレッド数が160を超えた。すでに2ちゃんねるの祭り史上歴代3位....

今の勢いでは、例の「ケツ毛バーガー」を超える勢いになりそう。