CEATEC2016を見学

昨日は新生CEATECを見学。これまで土曜日まで開催していましたが、今年からは火〜金の平日帯のみに変更です。自分が興味があるものを中心にゆっくり見たかったため休暇を取って個人的に参加。
ファミリー向けの訴求やCSR的な配慮が重要になって、「わかるけど、なんだかもやっとしたコンセプト展示」が多くなっていた従来のCEATECと一転、プロトタイプだけど尖った展示が増えていたのが好印象。100社ぐらいあるベンチャーの小コマ出展、聞いてゆくのは体力的に辛いところがあったけど、聞くこちらもモチベーションをもらえる。

コミュニケーションロボットが多い。トヨタも大きなブースで出店しているが、主な展示はこの小型ロボット。目がクリッとしている。シャープのロボホンや、Sota なども似ているが、同じデザイナーのデザインだそうだ。一方シンプルなデザインの富士通のRobopin。案内役が主な用途。中性的でデザイン上の主張が少ないのでどこにでも合うかも。シャープはCOCOROBOとボカロをコラボ。そろそろコミュニケーションロボも普及するだろうか





NTTはグループとして出展。ドコモはちよくるなど自転車シェアリングサービスの基盤を運用しているけれど、その自動車版といったところか、駐車場シェアリングサービスの試作を出展。コインパーキングのフラッパーの代わりに、工事容易な小さな車両センサを設置。利用者はスマホアプリで空き駐車場を検索・予約するもの。精算もネット経由で行うので楽とのこと。Uberと同じようなモデル。 で「不法駐車は、近くのガードマンが駆けつけることで解決」とのこと。そこが課題になりそうだが、可能性感じる。



話は少し変わり、デモの見せ方について。 製品の技術そのものも大事であるけれど、展示会映えする見せ方、人の目を引き付ける見せ方というのは大きな展示会では大事。今回目を引いた二つは、どちらもMaker文化のグループとのコラボであったようだ。一つがパナソニックの人体通信技術のデモで「光るスカート」。客がデバイスを手に持ちコンパニオンと握手するとスカートがそのデバイスと同じ色に光るもの。 もう一方はロームのセンサ、アクチュエータ技術を用いた、ラジコン式羽ばたき折り鶴。どちらもMFTやその関連するイベントでみかけたことがあるデモであるけれど、パナソニックロームの技術者か展示会担当者が技術支援を持ちかけたのだろうか。このあたりの目利きと調整力は尊敬する。


技術でいうと富士通のリアルタイム音声認識+多言語翻訳。何十年前からある技術とはいえ、1分ほどのフリートークでも誤認識がなく、認識率の高さがこれまで見かけたシステムよりも1段上、ようやく実用レベルのものを見た。認識・翻訳はクラウド側で実施するためスマホで実現できるとのこと。富士通はデモは地味(堅実)だが質が高く頑張っている。
ビジネスモデルとしてすぐにでも実用化できるのが、パナソニック/NTT-Cの「カメラシェアシステム」。遊園地・景勝地など景勝地などでよいアングルでちゃんとしたカメラを設置して、旅行者の自撮り写真をとるもの。撮った写真はその人のスマホで見られるシステム。事業者が施設に無料で設置して、売り上げを按分する自販機モデルを考えているとのこと。ブレイクする可能性を感じる

そして写真は撮っていないものの、今回はベンチャー企業の出展数がこれまでの数倍で100社ほどに増加。IoTのエッジ側デバイスクラウドでの解析・サービスなどそれぞれの領域で尖ったものを展示している。こちらもモチベーションを得られる。去年見かけた製品もあり、話を振ると向こうも驚いた様子だったが、この一年の説明をしてくれたりと同人誌即売会のようなあたたかい雰囲気もある。
この6年ほど衰退方向で心配だったCEATECですが、今回の方針転換良い方向になったのではないかという印象です。