Akamai 勉強会 参加してきた (12/11)
12/11の夜は ミッドタウンのYahooJapan にて Akamai 社の勉強会に参加
yasuyukimaさんの告知
Akamaiさんのインターネットの裏側勉強会は12月11日です。
http://yasuyuki.vox.com/library/post/akamai-on-dec-11-friday.html
ヤフーは、六本木のミッドタウンタワーの中層階(11〜20階?)を占めている大きなテナントで、専用の受付が2Fにあります。 かなり厳重なセキュリティ対策されていて入館証も1回利用のQRコードになっていました。
Akamai というのは普通は知られていない会社で、私も「昔あった翻訳ソフトの会社?」程度の認識でしたが、実は今のインターネットにとって不可欠なサービスを提供している会社であるという事がよくわかりました。
以下所感(自分の理解含む)
・アカマイが目指す所は「ベストエフォートなインターネット上で、お金を払った業者にはちゃんとしたアクセスを提供する仕組み」を実現ということ。
・現在のインターネットは ISP間のピアリングによって運用されている。コンテンツ提供業者などエンド側にはその仕組みは見えず、またピアリングに伴うトランジット費などのコスト負担は直接はなされないが、その一方、サーバから遠いユーザやバースト的なアクセスに対しては満足にコンテンツを提供出来ない。
・ 一方、アカマイ1社で(オーバレイ的に)全世界にコントロールされたネットワークを作っている。仕組みとして、コンテンツのキャッシュをしたり代理応答するなどする。このネットワークにトラフィックを流せるのはアカマイと契約している団体のみ。 仕組みとしては、世界で56000台の「エッジサーバ」を置き、このサーバでデータのキャッシュやプロトコルの代理応答をするなどしてレスポンスを高めている。
・ また、アカマイのネットワーク内にビデオサーバを持っていて、先日のU2 ライブ中継では、同時1000万ストリームという大規模なストリーミングを実現した。
いろいろデータ:
・ アカマイが全世界で管理している「エッジサーバの台数」56000台
・ NOCの数4カ所(アメリカ東、アメリカ西、インド、秘密(アメリカ政府用))。 5人程度で監視
・ 世界のインターネット人口の80%は1hop でアカマイサーバと接続可能
・ 現在 2Tbpsのネットワーク容量を持っているが、2年後ぐらいには100Tbpsが必要と考える(ワールドカップを全員ネットで見るケースを想定)
・ 契約している主なユーザー:
- アメリカ政府のすべてのネットワーク
- Windows Update
- youtube
- Wiiのネットサービス、 Playstation のネットサービス
- 各種アンチウイルスのパターンファイル配信サイト
- その他、大手企業のWEBページ
・ 費用
最低で月額100万円から。上限は無し(多分数億円オーダーと思われ)
ただし、どれだけ需要があっても赤字の企業とは契約をしない
というように、むちゃくちゃプロフェッショナルなサービスなのですが、インターネット(特に映像配信)のビジネス利用においては不可欠なサービスになって来ています
テレビ放送との比喩でいうと、アカマイは「電波法則」かな。アンテナから電波を出せば多くの人に一斉に信号が届くという。自然界では天賦だけどネットではアカマイの契約者のみ利用できると捉えるとアカマイのすごさがわかります。
アカマイは業種で言うとCDN業者なのですが、採用されているサイトの名前をみると、業界の中でアカマイがデファクトになっていそうに見えます。アカマイの費用は高いようですが、ここと契約をしないと、ネット上で大量のトラフィックを出すようなサービスは実現が難しくなっているのでしょう。 野良なネット好きな私は、たまにこういうインターネットの裏側の話を聴けるのが非常に楽しみ。